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麻子仁丸
「麻子仁丸」(マシニンガン）は、便を軟らかくして便通を良くします。体力が中くらいかやや弱い人向けで、とくに年齢の高い人の乾燥してコロコロとした便に適しています。
「麻子仁丸」を構成している生薬は、麻子仁(マシニン)、杏仁(キョウニン)、大黄(ダイオウ)、厚朴(コウボク)、枳実(キジツ)、芍薬(シャクヤク）の6種類です。水分を保持する「麻子仁」と「杏仁」を中心に、腸の運動を高める「大黄」、腹部のつかえを下す「厚朴」や「枳実」、腹痛を和らげる「芍薬」などが配合されています。
これらの生薬が一緒に働くことで、よりよい効果を発揮します。なた、病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
「麻子仁丸」は、漢方の代表的な緩下薬であり、とくに高齢の人によく使用されることが多いようです。漢時代の「傷寒論」および「金匱要略」という古典書で紹介されている漢方薬です。
体がひどく弱っている人は、慎重に使用するようにして下さい。胃腸が弱く、食欲不振や吐き気、嘔吐や下痢などを起こしやすい人も慎重に使用するようにしましょう。「麻子仁丸」を他の漢方薬と併用する場合には、大黄が重複しないようにすることが必要です。
配合生薬の大黄には、子宮収縮作用や骨盤内臓器の充血作用が認められています。そのため、流産や早産の原因にもなりかねません。大量でなければそれほど心配はありませんが、妊娠中に服用する場合には医師とよく相談するようにして下さい。
漢方で便秘解消